はじめに
よく、ホワイトカラーやブルーカラーなどという言葉を耳にします。
ホワイトカラーは管理職、事務職などの「頭を使う職業」と考えて良いです。
反対にブルーカラーは肉体労働が主体の技術職などに当てはまります。
皆さんも仕事をしていると、どちらかに分類されることになるでしょう。
そして、近年では人工知能が発達し、そういう労働の層に取って代わるのではないかという話が増えてきました。
具体的には、ホワイトカラーはAIによって取って代われる可能性があるとか、ブルーカラーはロボットに置き換えられる可能性があるとか、そういうことです。
要するに、人間よりも遥かに高精度で高速度の演算、学習機能を持つ人工知能が、どんどん学習して人間の職業を奪ってしまうというイメージでしょうか。
実際に、将来の職業予想ということで書店に並び影響力を持っているものも少なくありません。
落合陽一さんらが著しているこの本はかなり有名です。
急速に成長する得体のしれないAIという存在が、いつの間にか我々の生活を脅かす。
そんな風に漠然としたイメージを持たれている方も多いかもしれません。
そうなると、これから我々はどのように仕事をしていったらよいのでしょうか。
あるいは、どのように勉強していったらよいのでしょうか。
そもそも、勉強は必要なのか?
一度は皆さんも考えたことがあるのではないでしょうか。
一生懸命勉強して知識を蓄えて、受験や資格を取る。
果たしてそこにどのような意義があるのか。
暗記するのなら、人間よりも遥かに人工知能(そうでなくても普通のコンピュータ)の方が得意です。
気になったら、調べることもできるし、その方が断然スピードも早い。
分からないことを検索で済ませられるようになった時代に、単純な知識は必要なのでしょうか。
私は、やはり必要だと思います。
むしろ、これから先重要なものにさえなってくると思います。
勉強は単純な知識の蓄積ではない
皆さんが今まで勉強してきた様々なことは、まったく無駄にはなりません。
人工知能が台頭してくるからといって、そういう単純な知識を集めることを止めてはいけません。
単純な知識は、一個だけであれば五十音の「あ」のようなものです。
しかし、それらが組み合わさってくると文章が作られます。
単純な知識を集めることで、思いもよらない発想や仮説が立つ。
この飛躍が、実は人工知能が一切立ち入ることのできない人間の特徴的な部分なのです。
勉強を止めると、人工知能に取って代わられる
逆に、クリエイティブであることを求めすぎて、単純な知識を集めなくなってしまうと、発想が停止します。
そうすると、いつの間にか平坦な毎日を送ることになり、何も考えられないまま労働に就くこととなる。
ブルーカラーであろうがホワイトカラーであろうが、労働しているという事実は同じです。
そこに、自分の思考・発想が存在していなければ、それこそ人工知能に取って代わられてしまうリスクが上昇します。
学ぶことで、ブルーカラーは「技術」を手に入れます。
学ぶことで、ホワイトカラーは「知恵」を昇華させます。
学ぶことで、人工知能が代替不能な人間らしさそのものを手に入れることができるのではないかなと思います。
毎日、勉強し続ける
シンプルながら、AI時代を生き延びる方法は、これに尽きると思います。
常に新鮮な気持ちを持って、新しいことを取り込んでいく。
既に知っていることでも、改めて勉強することで深みを持たせる。
勉強は、人生を豊かにする方法であると同時に、この激動の時代をブレずに生き延びる方法でもあるのではないでしょうか。
そうして創られた自分だけの知識の結晶が、AIに取って代わられない貴重な「知恵」になってくれるはずです。