投資にもいろいろなやり方があります。
私は色々手を出した結果、国内外高配当株投資という戦法に落ち着きましたが、そこに至るまでにFXもやったことがあります。
投資手法は、実際に経験してみないと分からないと思っていたので、どれが自分に合うのかを色々と試していました。
「一夜で数百万円の利益!」
「ただの主婦が億トレーダーに!」
など、少し怪しい雰囲気のあるFXですが、仕組みを知らないとその危険性も分かりませんよね。
今回は、私がFXをおすすめしない理由を実体験をもとに説明します。
結論からいうと、「副業としては最もNG」
FXは外国為替証拠金取引といわれ、高いレバレッジをかけて外国通貨の売り買いを行い、その差分を利益として受けとるシンプルな取引手法です。
ただし、そこにはレバレッジという特殊な方法が存在しています。
何倍、何十倍(現在では25倍が上限)とレバレッジをかけることができるので、僅か1銭でも動くとすぐに数万~数十万の利益が出たり、損失になったりします。
このFXをメインで取引しているのは、日夜この戦場で取引に明け暮れているトレーダーです。
資金量も違えば、相場の読み方もまったく異次元です。
多くは、「あとがなくなってもいい」という壮絶な覚悟でやっている人たちばかりなので、「上手く行けば一攫千金」という人たちは100%損失を抱えて退場します。
私は稼ぐというより試してみるという感覚で数十万円を元手に取引をやってましたが、損失を抱えるとかそういう次元ではない、FXの沼を垣間見ました。
チャンスが多すぎる
FXは買うときも売るときも利益をあげるタイミングがあります。
相場が下がっても利益をあげることができるのは一見するとチャンスが多くて良いように思いますよね。
ただ、そのチャンスが多すぎて、基本的にはチャートに張り付かなくてはいられない精神状態になります。
私はFXがこのイメージを持っていたので、「これか…」となりましたが、油断すると一日中相場の動きを考えるようになります。
チャンスが多すぎることで、エントリーポイントを考えすぎるようになり、何が正しいのかが判断できなくなってしまいます。
扱う額が大きくなる
FXは、レバレッジをかけることで扱う額を大きくします。
副業でやると、このレバレッジで資金が一瞬にして溶けることもあります。
資金がある一定以上の含み損を抱えた場合には強制ロスカットになりますから、株式のように「まだ上がるかもしれない」と塩漬けにしておくことはできません。
利益が乗ると、すぐに確定したくなり、損失が出ると、「上がってくれ!」と祈りつつなかなか損切りができない。
この心理で、損失は膨らむ一途をたどります。
扱う額が大きくなると、この心理の影響で利は小さく、損は大きくなりすぐに資金が消滅します。
成長しない「ゼロサムゲーム」
誰かが得すれば、誰かが損をする。
それがゼロサムゲームの宿命です。
株式市場は、全体として成長しますから、損と得の和はプラスになっていきます。
しかし、FXは通貨取引なので、価値の総和は一定になります。
これに加え、手数料が取引のたびに発生します。
FXがマイナスサムゲームと呼ばれるゆえんです。
実際にやってみて、資金が溶けた
私はチャートを勉強しながら、結局数ヶ月実践してみて数万円の勉強代を払って退場しました。
たくさんの経験をこの勉強代で得ることができましたが、再びやろうとは思いません。
そのかわり、市場の成長、企業の利益に期待する資本家として投資をするという気持ちが一層強固になりました。
これは実際にFXの一分足を見つめながら、恐ろしい気分にならなければ湧かない感覚だったと思います。
利益が数万円出るときもありました。しかしその利益は感動を呼びません。
ここが、配当金投資をやっていて違うなと感じたところです。
FXが向いている人もいる
かといって、FXを真っ向から否定するものではありません。
先物取引、バイナリーオプション、FXなどはレバレッジをかけた取引や売り買い両面で利益を出すことのできる優れものです。
これをやる場合は、副業という意識でやってはいけないというだけで、実際にFXなどで生計を立てている方もいらっしゃいます。
我々に残された道は、地道な労働と、地道な資産運用、地道な節約。
これを地道にやり続けることができた人が、FXで一獲千金を成し遂げた人たちと同じ果実を獲ることができるのです。
もしも、これから先にFXをやってみたいという方がいらっしゃるのであれば、上述の内容を踏まえたうえで、
余剰資金の中から許容できる範囲でやってみる
あくまでも、「利益」を出すことにはこだわらない
こういう視点で嗜むのは悪くないと思います。ただ、そうなると真剣味にも欠けるでしょうし、結局はやらない方が良いのかもしれません。
FXをやって良かったこと
FXをやるにあたり、チャートを読むことは必須です。
テクニカル分析が必要になるFXでは、ある程度のインジケーター、オシレーターを扱う必要があります。
それをもってしても正確な読みが困難なのがFXの恐ろしいところでもあり面白いところでもありますが、株式投資でもチャートを読めるに越したことはありません。
高配当株投資をするにあたり、先駆けてFXで痛い目を見ておいたのは良い経験だったかなと思います。
そして、ETFではあるものの米国株式を扱うようになって、ドル円のチャートをじっと眺めていたこともいい経験となりました。
このように、FXを経験して悪いことはないですが、利益を上げることを目的に資金を使うことはおすすめできません。
いかがでしたでしょうか。
私はこれからも過去にやった様々な投資手法から学びながら、国内外高配当株投資を中心に、支出の最適化を図りつつゆっくりと資産を増やしていこうと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
*あくまでも個人的な感想です。投資手法には様々なものがあり、ご自身にあった投資手法を選択されてくださいね。