資産形成を頑張っていて、ときおりこういう風に思うことがあります。
「まだまだ足りないな。頑張らないと」
ですが、どこをゴールにしていけばいいのでしょうか?
100万円しかなかったころは、生活に不安があったのは仕方ないことですよね。
でも、それが1,000万円になっても何千万円になっても「少なくなったらどうしよう」とか「もっと増やさないと」という気持ちに駆られることありますよね。
セミリタイアの達成は、配当利回りを考えれば5,000万円以上くらいから視野に入ってきます。
したがって本当であれば5,000万円でも十分満足のいく結果になります。
金融資産が5,000万円もあるというのは、普通に考えれば凄いことで、いわゆる「準富裕層」に相当するものになります。
それだけのお金がありながら、まだ不安に思うという心理が付きまとっていると毎日気持ちが悪いですね。
どこまで金融資産を作り上げれば安心できるのでしょうか。
あるいは、安心できない理由があるのでしょうか。
今回は、その具体的な資産額というよりも、そう感じてしまう人間の心理について面白い言葉があるのでご紹介します。
快楽の踏み車(Hedonic Treadmill)とは
快楽の踏み車とは、「Hedonic Treadmill」の和訳です。
踏み車は、踏んでも踏んでも前に進まない車のことです。
つまり、快楽は重なっても重なっても、依然として満足することがないということの例えです。
新しい洋服を買ったけど、すぐにまた新しい洋服が欲しくなる。
達成したい夢を達成したのに、満足できない。
そんな気持ちを抱いている瞬間、実は快楽の踏み車現象が起こっているかもしれません。
もともと人間は、この「もっと~~したい」という欲求をプラスに捉えて進化をしてきました。
ですが、色々と満たされるようになった現代では、この快楽の踏み車の心理がマイナスに作用することもあるようです。
快楽の踏み車を理解して利用する
快楽の踏み車現象を「理解する」だけでも大きな前進です。
なぜなら、「もっと~~したい」と考えているとき、それは物事が「達成された」ということを間接的に表しているからです。
ですから、快楽の踏み車をしているときは、自分がある程度前に進んだということを理解すると良いです。
資産形成に関しても、「もうちょっとお金がないと不安だな」と思っているときは、実は安定的な額まで来ている可能性が高いというわけです。
さらに、それを利用してもっと前に進む原動力にしてしまうというのも一つの手ですね。
快楽の踏み車現象は、
現状に満足できないというマイナス側面
より良い状態に持っていくモチベーションになるというプラス側面
この2つが存在しています。
この「モチベーション」として快楽の踏み車現象を利用することができれば、今の自分が安定的なところにいると理解しながらも、さらに前に進むことのできる原動力にすることができるでしょう。
目標を達成したら、次の目標を立てる
快楽の踏み車を、目標達成に利用することも可能です。
例えば資産形成だったら、小さい目標をいくつも積み重ねていってみましょう。
達成可能な目標を作ることが大事です。
まず金融資産500万円を目指してみる。そして、「まだ足りないなあ」と思ったら、次は1,000万円に大きくしてみる。
そんな感じで、常に「満たされない状態」を利用して、効率的に資産形成をするのもアリです。
ただし、必ずそこには自分が快楽の踏み車現象に陥っているんだなということを自覚しておかなければなりません。
そうしないと本当に踏み車を踏み続けて迷子になってしまいますからね。
資産形成を例にとりましたが、これは資格の勉強でも、仕事でも同じように利用することができます。
小さい目標を達成しながら、「まだ足りない」を上手に使っていきましょう。
何かの参考になりましたら幸いです。