はじめに
様々な場面で、目標を設定したら行動を始める。
スタートダッシュは思いのほか上手くいくけれどもゴールが近くなった瞬間に惰性に入ってしまう方は多いのではないでしょうか。
勉強や仕事ではよくあることです。
勉強しようと思って問題集を開いても、初めの数ページは丁寧にしっかりやるのに対して、最後の数ページは「まあいっか」という感覚で適当にやってしまう。
あるいは、仕事も、求められるところまでノルマを達成すると「まあいっか」という気持ちになってしまいがちです。
客観的に見てしまえば、初めも最後も本当はみな同じなはずです。
しかし、人間は最後に差し掛かると「流し」に入ってしまう性質があります。
100%を目指すというのは極めて難しいことなのですね。
本当はもっと成果を上げたいけれども、途中で力尽きてしまう。
今日はある言葉を引用して考えてみましょう。
どこを「まんなか」にするか
こんな言葉があります。
百里を行く者は九十を半ばとす
百里というのはとても長い道のりのことです。
意味はこういう風になります。
何事も終わりの方ほど困難であるから、九分どおりまで来てやっと半分と心得、最後まで気を緩めるな。
要するに、90%まできてようやく「半分」であるということです。
はじめの50%と最後の50%はどう考えても最後の50%は油断してしまいます。
そこであらぬミスをしたり、気を抜いて質が下がったりしてしまう。
やるときには90%までを「半分」と考えることで、最後の質の低下を防ぐのです。
ただこの言葉を知るだけでは実践できないので、ここでさらに行動を付け加えます。
どうすればいいのか。
90%まで一気にやり通してしまうのです。
一気にというのは決して一日のことではないですが、やる気がみなぎっているスタートダッシュのときに90%のところまで走り切ってしまうのです。
そうすることで最後の10%はある程度速度が落ちても100%に到達することができますね。
私は物事を始めるときには、とにかくゴールの手前に到達するくらいに一気にやってしまうようにしています。
例えば、学会発表をしなければならないときは、私は一日で骨子を何としてでも作り上げる目標を立てます。
90%は「骨組み」がほとんどなので、残りの10%はゆっくりと肉付けをしていけばよいと考えます。
反対に、骨組みをおろそかにしてしまうことにより、残りの10%も面倒になってしまう。
「何事もはじめが肝心」とよく言いますが、その "はじめ" は90%と心得ましょう。
別の言い方をすると「手を抜いても達成できるところまで一気にやる」ということです。
最後の最後に人間が怠惰になってしまう性格は仕方がないと考えると、その対策として一気にゴールに接近しておけばよいということになります。
私も飽き性なので(飽き性は別の記事でも有効性を考えています:以下を参照してください)、様々なことに興味がうつろいますが、うつろう前にその仕事を達成できるように一気に走り抜けてしまうようにしています。
最後の最後までモチベーション、パフォーマンスを維持する秘訣は、スタートダッシュからゴール手前までを情熱があるときに一気にやってしまうということです。
私は、その意識が持続するのであれば徹夜をしてでもよいと思います。
あまり頻繁に徹夜をすることはそれそのものがパフォーマンスを下げますが、「これはやっておきたい!」と熱心になれるものなのであれば一気にやってしまった方がよいでしょう。
おわりに
まとめると、
・パフォーマンスが低下するのはいつも「ゴール直前」
・やる気を維持するためには100%のうち90%を「中間」と考える
・90%はスタートダッシュである程度決着をつけてしまう
・残りの10%は手を抜いてもいいくらい90%の仕事を仕上げる
ということになります。
忙しい現代で、やらなければならないことはたくさんあります。
ですが、仕事も、資産形成も、勉強も、はじめに基礎を作り上げてしまえばゆっくりと残りの10%を楽しむことができます。
スタートダッシュで、すべての物事をゴール前まで終わらせてしまいましょう。