ないわけではないが、足りてもいない
皆さんは現状に満足しているでしょうか。
こういう風に質問すると、完全に満たされているという風におっしゃる方はそれほど多くないのではないかと思います。反対に「まったくだめだ」という方も多くはないでしょう。
「まあまあ満足しているけど、もっと先を行きたい」という気持ちを持っている方が多いのではないでしょうか。
仕事もしているし、お金もちょっとはある。生活に物凄く困っているわけではないが、それでも毎日働かないと生きていけないし、それ以外にやることもない。そういう学生やサラリーマンの方はきっと多いはずです。
「少欲知足」という言葉を紹介したことがあります。
字面だけを捉えると、現状に満足しなさいということになりますが、この考え方を適用すべき場面と、現状に満足せずどんどん探求していかなければならないタイミングというのがありますので、注意しましょう。
モノは少ないほうが良い
私が思うのは「モノ」に対しては少欲知足でいる方が、最もシンプルで悩みの少ない生活を送れることと思います。
一方で、「コト」に対する探究心は少欲であってはいけません。現状に満足しているから、この仕事でもいいや。今の成績で十分だから、別にこれ以上勉強しなくてもいいか。こういうことは少欲知足とは言いません。
皆さんが現状に満足していない一番の原因は「モノ」ではなく「コト」にあります。「コト」というのは少しわかりにくいかもしれませんが、経験や体験、思い出になるような出来事ですね。
その「コト」が、今の環境では100%楽しむことができているでしょうか。
自分にとって、したい「コト」が実現できる環境にあるでしょうか。
毎日これを考えてください。そして、「ちょっと足りていないな」と思ったら、ぜひその環境をどのようにしたら変えられるのかを検討してみましょう。
足りないから足るを知れる
満たされていない状況に置かれて初めて、「今自分に何が不足しているのか」を気づくことができます。
すべて満たされていてなんの悩みもない状態は理想ですが、初めからその状態に到達できるわけではありません。
そして、悩みが何もない状態では、足りないものを見つけることすらできない。
ですから、あなたが100%満たされていない状況にいるのであれば、周りを見渡して脱出できる出口を探してみましょう。
そして、それを見つけたら全力で行動してみてください。不足していることは、満たしていくきっかけになるのです。
今の自分が同じ場所にとどまっている限り、新しい「コト」が手に入らないのなら、躊躇することなく環境を変化させることを選択しましょう。
そういう感情が沸き起こっているその瞬間は、自分にとって将来のための行動を始めるためのチャンスなのです。
これを上手につかみ取り、よりよい質を目指していきましょう。