食事は1日3回訪れる最高の習慣
皆さんは、生活リズムを整えるために、色々と工夫されていることがあると思います。例えば、朝ごはんはいつもの同じものにしているとか、毎朝同じ時間に起きるとか、そういういつもの習慣を続けることで、人は習慣に引き寄せられる形で良くも悪くも変化していきます。
毎朝、ジャンクフードを食べる習慣のある人は、継続することによってその栄養素に影響された身体ができあがります。現在の自分の身体は、およそ半年前に摂取した食物で決まると言われてもいますから、今の自分の身体を変化させたいと思ったら、実に半年もの生活習慣を改革する必要があるわけです。
そうなると、毎日簡単に実践できる習慣から変えていくことで、無理なく自分の身体をいい方向へ変化させていくことができます。
毎日の習慣として実践可能なものの一つに、朝ごはんを充実させるというものがあります。朝は炭水化物やたんぱく質、脂質をバランスよく含み、多すぎない量で、水分がある程度あるものが良いでしょう。
すべての食事に言えることですが、消化の良いものを選択することが重要です。もちろん朝からカレーを食べる方もいらっしゃるかもしれませんが、腸の負担や朝の仕事の質を考えると、エネルギーに直ちに変換されるようなものが良いとされています。
シンプルを極めた食事「おかゆ」
私が良く実践しているのは、禅の食事のなかでもシンプルで消化の良い「おかゆ」です。おかゆはご飯に比べて水分を比較的多く含み、消化に良いので、急性腸炎などで消化管が弱ってしまった場合に、よく少量から始めてみるよう勧められるものです。
しかし、別におかゆはそういう「病気」になったから食べなくてはならないものでは決してありません。私のように、日ごろから「病気にならない」ように食べるものでもあるのです。おかゆの作り方は非常に簡単で、お米をお鍋に入れて少し多めの水でじっくり温めることです。
具体的な量は、人によって好みがありますが、固めが良かったり、柔らかめが良かったり、ご自身の感覚に合わせて調整することができるのもおかゆのいいところです。
また、最近ではご自身でおかゆを作るのが時間の関係上難しいという方にも、レトルトのおかゆが販売されているのを見かけます。
これは味の素が発売しているおかゆですが、ご覧になるとわかる通り、カロリーは非常に抑えめでありながらしっかりとした量があり、それでいて消化もよい。
ご紹介したのは白がゆですが、それに梅干を一つ乗っけても良いし、少しだけ醤油を垂らして味付けをするものよいでしょう。シンプルな味付けで美味しくいただくことができるのも、おかゆの良いところです。
白米ではなく、玄米でできたおかゆもありますね。玄米は精米する前に存在していた栄養豊富な部分が残っていますから、味は多少白米と比べると違いますが、食物繊維も豊富ですし、女性の方の朝ごはんにはとてもぴったりです。
食物繊維を摂取することは、大腸悪性腫瘍の予防や憩室の形成の予防にも関与することが知られています。もともと、加工肉を摂取することの多い人は、食物繊維が不足しがちであるうえに、代謝の過程で大腸にダメージを与えますから大腸癌であったり、大腸の中の圧力が高まって憩室が作られやすい傾向にあります。
しかし、食物繊維を摂取することによって、便はスムーズに排泄され、圧力も下がりますから、癌や憩室の予防にはとても効果的なのです。
玄米粥は、食物繊維も含まれ一石二鳥ですから、是非試してみてください。
シンプルだからこそ、ゆっくり食べられる
実際に、朝におかゆを食べる習慣をつけてみると、食生活が改善されるばかりでなく、おかゆを目の前にしたときに心が落ち着くという副次的な効果も期待できます。目の前にハンバーガーが置いてあれば、短時間で齧りついてしまいたい衝動に駆られることでしょう。
しかし、おかゆが目の前にあってそれをお茶漬けのようにずるずると掻き込もうと思う人は少ないのではないでしょうか。ぜひ、一口一口を味わいながら、丁寧に食べる習慣も併せてつけてみてはいかがでしょうか。
非常にシンプルな食材でありながら、おかゆは出汁やお米の選び方、お水の加減や熱の入れ方、そしておかずの選択など、非常にバリエーションに富む食事です。
朝、どことなく胃腸の調子が悪いなと思う方は、朝ごはんを抜いて出勤するのではなく、毎日の食生活の中で、一つでもおかゆに置き換えられる食事がないかを検討してみましょう。カロリーもある程度抑えられるうえに、心も落ち着いてきますよ。