はじめに
日々の生活が、ある少数の人間たちによって操られているとしたら、びっくりしますよね。
日ごろ、自身の力で人生を生き抜いていると考えているのに、実は陰で操られている。
なぜ、こんなことをお話ししようかと思ったのかというと、実は皆さんが生活している毎日は、ほとんどが一部の人が作った環境の上で成立しているからなんですね。
皆さんが住んでいるアパートは、誰かが所有しているものですし、仕事をするにしても資本家が必ずそこにはいる。コンビニに入っても、コンビニそのものは大きな企業がその中枢にいる。
皆さんの生活は、そういう一部の人々が作った環境で成立しているのです。
パレートの法則
パレートの法則というのをご存知でしょうか。
もともとはイタリアの経済学者が発見したとされる法則です。
経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している。
大部分というのは8割くらいで、この法則を「80:20の法則」ということも多いです。
つまり、残りの2割くらいが中枢に存在し、大部分の利益を上げているというお話です。
この法則は経済学における言葉ではありますが、いろいろな現象を見てみても結構近いところがあると感じます。
仕事をしている人たちの中でも、中枢で成果を上げているのは2割程度で、その他の8割は実は集まっても2割に勝てない。
そして私たち人間に話を広げてみても、例えば経済的に自由であったり、思い通りのことをできている人たちは全人類の2割程度で、その他大勢はなかなか自由でない。
労働をしている人たちのなかで給与収入は大きく変わりませんが、資本家になると突然経済的自由を獲得する人たちが出てくる。
その労働者と資本家の割合は、完全に8割と2割に分けられるわけではありませんが、イメージとしては労働者が「大部分」で、資本家が「一部」というものになるでしょう。
こういう風に、我々の生活には常に「一部」が「大部分」を支配しているという構造が見えているのです。
他人と異なる思考を意識する
さて、なぜこのような話をしたのかというと、これは逆に「一部」になるチャンスとなる法則だからです。
私は、こういう法則を目にしたときに「大部分」でいることが強い束縛を示しているようで、「一部」を目指したくなるものですが、皆さんはいかがでしょうか。
日々を漫然と過ごしていると、「大部分」の集合にしか収まらず、どれをとっても「団栗の背比べ」にしかなりませんが、「一部」になることによって飛躍的にできる行動の範囲が広がってくる。
「一部」の仲間入りをするためには、まず自身が「大部分」にいるということに気づかなければなりません。
そして、「大部分」の人間がしている行動や考え方から脱却する必要があるのです。
そうすると、毎日、人々の行動をつぶさに観察する必要があります。
どこが「大部分」の行動なのか、どこが「一部」の行動なのか。
「一部」になるためには、彼らの思考を捉える必要があります。
「大部分」がしている思考は何なのかということも併せて知る必要があります。
そのうえで、「大部分」が選択している行動とは異なる行動をとる必要が出てきますね。
パレートの法則は、「大部分」から脱却するためのヒントを与えてくれるコンセプトともいえるでしょう。
過去にはこんなことも考えたことがあります。
自分自身を独立させるとともに、「一部」になるためにはどうしたらいいかを積極的に考えていくようにしましょう。
仕事や勉強に応用する
パレートの法則は、その考え方さえわかってしまえば仕事にも勉強にも応用が利きます。
仕事であれば自分がいまどういう行動をして、どういう位置にいるのかを客観的に見つめてみることから始めましょう。
周りの人たちと同じ仕事量で、同じスピードで、同じノルマであれば、それはおそらく「大部分」の中に入ってしまっている。
そういう風に自覚できれば、できる「一部」の人たちへ近づくためにどのようにすればいいのかが見当が付きますね。
知識が足りないのであれば勉強すればいいし、経験が足りないのであれば人よりも多く場数を踏みに行けばいいのです。
ただ漫然と「なかなか上に進めないなあ」と考えるよりも、こういう構造を理解することで、どういう風に行動すればよいかというのが自ずとわかってくるのではないでしょうか。
勉強だって同じことです。勉強が本当にできる人たちは「平均より上」の人たちではなく「一部」の人たちだけです。
平均より上だからといって安心してはいけません。平均はあくまでも集団の平均値をとったものですから、本質的に「一部」かどうかはわからないのです。
同じ勉強をしていても、他人に教えることができるくらい勉強している人は「一部」ということができるでしょう。
反対にいい成績をとることができるというのは必ずしも「一部」の人間とは言いづらいですね。
このように考えてみると、自ずと自分がどの場所にいて、どういう風にすれば「一部」のレベルにまで到達することができるのかを知ることができます。
おわりに
何が「一部」で何が「大部分」なのかを意識することから、「一部」への道は始まります。
今やっている仕事や勉強などで「一部」となると、見える世界が一変します。
労働に関しても、労働者という「大部分」から資本家という「一部」へ変化するということは大きな環境の変化となります。
そして、それらの「一部」はおのおのに個性があり、豊かに見えます。
もちろん「大部分」にいれば、みんなと同じ行動をしていれば良いのですからストレスもかからないかもしれません。
しかし、目標を持って豊かになるためには積極的に「一部」の人間になりにいかなければならない。
自分がいま、どちらにいるのか、考えてみましょう。