完璧主義という言葉があります。
何事も完璧にこなさなければ気が済まない人のことです。
仕事でも、生活でも、完璧を目指す。
これが「マイナス」イメージで捉えていることが凄く多いですね。
聞こえはよさそうですが、その一方で完璧主義を治したいという人も少なからずいらっしゃいますよね。
それは、完璧主義が自分の生活に悪影響を及ぼしていることを実感されているからなのかもしれません。
「君は完璧主義だね」と言われるときに、そこにはネガティブなイメージが付きまとうと思います。
「完璧主義が災いした」ということもあるかもしれません。
世の中にはあまり完璧主義を礼賛する声はありません。
「私は完璧主義なんですよ」と言うとあまり良いイメージを与えないと思っているので人前で言うことはしないですよね。
しかし、私はこの性格を意外と気に入っていて、なりたいなと思うくらいです。
どうしてなのかをちょっと考えてみましょう。
完璧主義が悪いと言われる理由
~~主義と言われるなかでも、完璧主義はあまり良いイメージで迎えられることはありませんね。
何がそうさせているのかというと、「几帳面」「四角四面」「凝り性」などのネガティブイメージとくっついているからです。
やり始めたら完璧にしないといけないわけですから、自分なりにやりたいところまでやってしまう。
そうすると周りと足並みをそろえられなくなって、ともすると独善的な行動に走ってしまう可能性がある。
また、完璧を目指すあまり仕事は一進一退を繰り返し、なかなか目標とするところまで到達しないので仕事が遅いと評価される可能性もあるわけです。
本当であればそれなりの出来であればいいはずなのに、「それなり」が分からず全部やらないと気が済まない。
私も以前まではそういうタイプでしたから、他人よりも課題をこなすスピードは決して速くない方でした。
自分で納得いくところまでやることもありましたから、「完璧主義でなくてもいい」と言われることも多々あったことを憶えています。
ですが、悪いところばかりではありません。
完璧主義が強みを見せるところ
完璧主義とは、上手に付き合うことで能力を高めることもできます。
まずは何よりも自分が完璧主義ということを自覚するところから始まります。
そして、完璧主義ならではの「仕事の質」を高めていくのです。
完璧主義は当然、完璧を目指しますから仕事の質は高いはずです。
資料も入念にチェックするでしょうし、情報も広く集めて、納得のいく下地を作ってから作業を始めます。
それが「遅い」と言われるゆえんですが、このこと自体は決して悪いことではありません。
完璧にこなすことで、勉強であれば知識が確実に身につきますし、仕事であれば「やり直し」になる可能性は低くなるでしょう。
そういう側面にスポットライトを当てて、完璧主義であることを否定しないようにする。そのうえで、完璧主義の不得手なところを克服するとよいでしょう。
具体的には、
仕事のスピード
視野の狭さ
です。
仕事のスピードは、質を求めるあまりすべてが遅速になりやすいですから、少し「見切り発車」になるくらいがちょうどいいと考えて仕事に取り掛かりましょう。
なにごとも準備は大事ですが、準備をし過ぎて行動が遅れてしまうことは本末転倒です。
そして、視野の狭さに関しては、まじめに取り組むあまり他の仕事が見えなくなってしまいがちであることに注意したいところです。
仕事は途中でも、他の仕事をこなしているうちに突破口が開ける場合もあります。
いくつかの視点を持っておくことで、新しい発見ができることも少なくありませんから、「ちょっといい加減」であるくらいがちょうどいいと考えておくとよいでしょう。
せっかくやるなら完璧を目指しましょう
完璧主義がベースにあると、質を高めることに関しては何ら抵抗はありません。
それに対してスピードを高めていく作業が必須ですが、できるようになると手掛けたことはそれなりに高い質でこなせるようになります。
逆に、私は「いい加減」であるより「完璧」であることの方が良いようにも思います。
学生時代の話で言えば、試験は平均点を目指すよりも満点を目指す勉強をしていた方が楽なんですね。
すべてを網羅すればいいわけですから、「ここは適当でいいか」と考えることがありません。
もちろん勉強時間は長くなるかもしれませんが、それが功を奏することもあるわけです。
ないものを補っていくより、あるものを削っていく方が効率が良いはずです。
勉強なり仕事なり、結果が求められる仕事なのであれば、まずは拙速よりも巧遅であることを目指しましょう。
巧遅を反省し速さを出すことはできても、拙速から精度を高めることはなかなか難しいからです。
完璧主義+行動力=最強
私は何事も、「せっかくやるなら完璧主義」で臨みます。
ある程度のところまでしっかりと情報収集をする。そしてその時間と効率が少しずつ比例しなくなって頭打ちになってくる瞬間をとらえたらすぐに次の行動を開始するようにする。
あれこれ考える時間は必要ですが、実際に行動してみないと身にはなりません。完璧主義に行動力をプラスすることによって、さらに質を高めることができます。
完璧主義は直さなくても良いのです。
「良いように利用する」という視点で完璧主義を捉え直してみましょう。
自分の主義が好きになれば、それをもとにさらに先のチャレンジができるようになりますよ。