生産性を上げるコツはシンプル習慣の積み重ね
現代では、非常に早いスピードで重要な事柄や求められるスキルが変動していきます。その速度に付いていくためには、毎日をいい加減に過ごすことは決して許されません。また、恐ろしいことに、いい加減に過ごした時間が長ければ長いほど、気づかないうちに搾取されてしまうような構造になっています。
もしもそういう罠から脱出したいと思うのなら、日々の生活を見直して、とにかく勉強を重ねて上を目指すしかありません。現状に満足してはならないのです。
私も比較的多忙と言われる職業にありながら、そのなかでも自分の人生を充実させる方法、自分の周りにいる人たちを幸せにする方法を探し続けていますが、その過程で日々の質を向上させることは必要不可欠です。
今回は、とにかくシンプルに、すぐに実践できるものを厳選してご紹介します。別な記事で細かく説明しているものもありますが、ぜひそちらも参照されてみてください。
1. 朝は決まった時間に起きる
人間は習慣の生き物です。ですから、習慣を味方につけない手はありません。
どんな日でも、可能な限り同じ時間に起きましょう。
自分にとって何時が起床するのに相応しいかは、自分の身体のみぞ知ることです。
上の記事では、その方法についても説明しています。
人間の体内リズムは24時間から少しだけずれていますが、同じ時間に起きることでその誤差を最小限にすることができます。
私は、医師として当日の朝~翌日の夜までをぶっ通しで働くこともありますが、どんなに眠くてもその翌日の朝は決まった時間に起きます。このときに「少しだったらいいや」という風に甘えないことです。同じ時間に起きることで、少しずつそのリズムの乱れが是正されていきます。本来であれば、毎日決まった時間に寝て、毎日決まった時間に起きることが最も良いことなのですが、夜勤がある方など、睡眠時間を不定期にしか取れない方は、無理のない範囲で「決まった時間に起きる」という習慣だけでも付けてみましょう。
2. 朝早くに行動をはじめ、夕方は定時に終わらせる
これは、「他人と同じ時間軸で生きない」という競争の原理も少しだけ含まれています。他人と同じ行動をとっていれば、他人と同じ成果しか出ません。それを、朝に30分早く行動することで、30分の時間を稼ぐのです。
そして、30分行動を早くして良いスタートダッシュを決めたら、次は定時退社に向けて全力で努力するのです。
朝早く出ることも、夜早く帰ることも、考えてみれば当たり前の話ですが、実践するとなるとなかなか難しい。しかし、皆さんが24時間のなかで他人に差をつけて豊かになるためには、こういう小さいところを攻略していくことが最も近道なのです。
3. 隙間という隙間を利用する
今度は、はじめと最後の間に位置する「スキマ時間」をどれだけ有効に活用できるかというところです。目を凝らしてよく見てみると、チーズの穴のように仕事中にはスキマ時間が存在しています。それを見つけられるか見逃すのかは、あなたの観察眼次第なのです。
一日は意外と多くの時間が自分のための時間として存在しています。それを、十把一絡げに「仕事時間」として過ごしてしまうのは、いささかもったいないような気がします。どんなに忙しくても、目標を明確にして、そこから逆算してスキマ時間を有効利用していきましょう。
4. 日記を書く
これは時間術とはまた異なる習慣ですが、こちらは人生の間口を広げるアイデアを絶えず生み出すための習慣です。日記でなくても構いません。とにかく、その日あった感情や意見、出来事を記録してしまうのです。
今まで何度も日記を書いて挫折した方の気持ちはよくわかります。私はしょっちゅう挫折していました。しかし、挫折しながらも長く続けられる方法があります。
私がお勧めする方法は、「媒体をとっかえひっかえすること」です。日記帳に書いたと思ったら、落書き帖に短文を書いてみたり、スマホのアプリに記録してみたり、はたまたパソコンのメモ帳に書いてみたり……。そういう統一性のないことを繰り返すのです。「日記帳に書かなければいけない」という観念があるから、そこから先の一歩が踏み出せなくなってしまうのです。その観念を取り去って、「今はこれに書きたい気分だな」と感じたら、遠慮することなくその日は別な媒体に書いてしまえばいいのです。私はかれこれ15年以上、連綿と日記を色々な媒体に記録してきました。そのなかから、自分が本当に好きなことも、考えも見つけ出すことができたので、ぜひ皆さんも一文からでもいいので始めてみましょう。
「自分史年表」を作ってみるのも一つの選択肢です。
5. 気づいたことはすぐにメモする
これは日記をつけることと似ていますが、瞬発力という点ではメモに勝るものはありません。常にメモ帳を忍ばせておきながら、何かの感情や使えそうなアイデアが湧いたときにはすぐに取り出して書き入れておきましょう。
書店にはたくさんの「メモ術」の本が出ていますが、一番重要な点は「お気に入りのメモ帳を使い倒す」ことです。
何かのルールに則らなくてもいいのです。とにかく自分が今思ったことをそのまま書いてしまうのです。まずは習慣化することで、メモ帳の使い方が自分オリジナルのものになっていきます。いくら書籍を読んでメモ術について学んでも、やってみなければ話になりませんからね。
私は "Mnemosyne" がシンプルで美しく、いつも使っています。
6. 成果がでないときにこそ勉強する
これは、なかなか実践するのが難しいことである反面、私は最も効果のある習慣だと思います。
仕事をやっていても、どこか詰まったような感じのする期間があります。ミスが多くなったり、未知の仕事が増えたり、たくさんの仕事をこなさなければいけなかったりする瞬間が必ずあります。
同じ仕事を延々とやっていれば、それは楽ですが大きな成長は得られません。
成果が出ずに悶えているときにこそ、「今が勉強しどころだ」と思って分からないこと、できないことを潰していくのです。
私も、24時間365日を勉強ばかりにあてていたわけではありません。むしろ、何でもかんでも馬鹿正直に勉強することは大嫌いでした。
しかし、勉強のスイッチが物凄く入る瞬間があることに気づきました。
それが「成果が出ないとき」です。それは学生のときには試験の成績だったでしょうし、社会人になってからは自分の思い通りにならない一日があったときでしょう。
自分が自分の思い通りの結果が出せないときは、私は徹底的に「自分のせい」にします。自分が悪くないと思ったときには徹底して「悪くない」と思いますが、自分のせいで悪い結果になってしまったときには激しく後悔します。
そして、二度と同じ過ちを繰り返さないように、そこだけは二度と間違えないような勉強だったり対策をします。
そうすることにより、より負けにくく、より損をしにくくなっていきます。
「勝って兜の緒を締める」のではなく、「負け戦から学ぶ」のです。
7. 気づいたときにすぐ行動する
「禅即行動」という言葉があります。要するに、禅の修行そのものはすなわち行動することにある、ということです。考えて一歩前を踏み出せないのであれば、それをやめてとにかく行動してみる。行動しながら考えることが最も重要です。
石橋は叩いて渡るべきとは思いますが、叩くのと渡るのとでは石橋は大きく反応が異なります。叩いていては向こう側には行けません。渡ってしまえばあっという間に向こう側に行ける。石橋を叩いて壊すのであれば、壊れそうなところを走って渡って向こう側に行ってしまった方がいいと思いませんか。
自分にとって、大事なことと大事でないことの境をはっきりさせましょう。
大事だと思ったら、それがたとえ始めるのに大変なことであったとしても始めてください。反対に、大事でないことであればそれがどれほど強制力をもって迫ってきても、「やらない」という選択を取れる人間でいましょう。
私たちは大事でないことを延々とやっていられるほど人生は長くないのです。
「思い立ったが吉日」という言葉、ぜひ覚えておいてくださいね。
私は、とあるきっかけで資産を作ることが自分にとっても家族にとっても大事なことであると気づくことができたので、準備を始めるのに1週間もかかりませんでした。すぐに申込や準備を始めて、すぐに勉強を始めました。
皆さんもぜひ、自分にとって重要なことと思ったらすぐに行動を始めてみてください。
8. 昼寝をする
人間はずっと全力疾走をすることができません。ですから、しっかり何時間も睡眠をとることが必要なのですね。
午前中から午後の間の眠気は、体内に備わっている休息のリズムなので、可能な限り短時間の昼寝をとって午後もフルパワーで活動することをお勧めします。
昼寝といっても、細かい作法がありますので、ぜひ効率を上げるための昼寝を積極的に取り入れてみましょう。
9. 一つのことを集中して考えない
これは、2つの側面があります。
一つのことを集中して考えないことによって、思考が堂々巡りするのを避けることができるというのが一点。そしてもう一点は複数の仕事を行ったり来たりすることによって加速度的に生産性を増やしていくことができるということです。
皆さんは勉強していても仕事をしていても、ずっと集中し続けるというのは難しいでしょう。どこかで息抜きをしたり、コーヒーを飲みに行ったり、漫画を読んだり、スマホを触ったりしますよね。この「ちょっと一服」が、視野を狭くするのを避けてくれる。これが前者の利点です。
さらに、息抜きしようとする「離れようとする力」をそのまま別の仕事に応用してしまうことで効率を実質2倍にしようというのが後者の利点です。
もちろん、集中することは大事なのですが、集中力が行き詰まったときの対策をたくさん立てておくことで、「疲れた→休む」というサイクルではなく、「この仕事は疲れた→別な仕事に取り掛かる」という良いサイクルを生み出していきましょう。
別な仕事をたくさん用意しておくためには、興味や関心の幅を広げておく必要がありますね。そう、それこそが生産性向上のための基盤になるのです。
10. 悔しい、辛いを反発力にして利用する
今までの人生の中で、皆さんは「楽しかったこと」よりも「悔しい、辛い」と思ったことの方が多いのではないでしょうか。実はそれは正解な感情で、人間は「悔しい、辛い」と思ったことは意外と覚えているものです。もちろん「楽しい」という感情は残りますが、同じ比重の体験だった場合は「悔しい、辛い」の方が勝って見えてしまうことが多いです。
そういう風にして、人間は進化を遂げてきたのです。
そうであるならば、あなた自身も「悔しい、辛い」で大きく進化をすることができるはずです。
他人から何かを言われて「悔しい」と思ったことは一つや二つではないはずです。そして、毎日の仕事で「辛いな」と思わなかった瞬間などあるでしょうか。思うようにいかず、ストレスはたまり、勉強しようと分かっていてもなかなかできなくなってしまう。
落ち込むときは、とことんまで落ち込みましょう。これが次の跳躍への大きな原動力になります。
高く飛ぶとき、遠く飛ぶときには、そのまま飛び始めるよりも反動をつけて飛んだ方が良いことは皆さんもご存知の通りでしょう。それを人生でも同じ考え方で応用してしまうのです。悔しいと思ったら、それを原動力にして、見返してやるくらいに勉強してみる。辛いと思ったら、それを原動力にして、トンネルを抜け出したときの幸せな気持ちを倍加させるためにせっせと準備をする。
辛い期間が長かった分だけ、得られる幸せの気持ちは特別なものとなります。
勉強も、資産運用も、そういう「苦難」の道のりが必要なのです。
生産性のその先へ
よく考えると、生産性の向上は「からだ」と「こころ」の質の向上で成り立っていることがわかると思います。ただ身体だけ動かしていても生産性は上がらない。かといって、心だけ前へつんのめっていても身体がついていかなければいつかは頓挫してしまう。バランスよく整えて、生産性を最大限まで高めていきましょう。
一つ一つの習慣を積み重ねていったものが、今の私たちの生活です。そうであるなら、良い習慣を重ねて、よりよい豊かな生活を目指してみませんか。