良いことと悪いことは隣り合わせ
一度は聞いたことのある言葉かもしれません。
幸福と不幸は、撚り合わせた縄のように交互にやってくるということ。
太古の昔から、「良いことと悪いことは交互にやってくるものである」という風に教えられてきたわけですから、現代でも例外ではありません。
人生の中で、良いことばかりだったという方はいないでしょうし、悪いことばかりで過ごしてきたという方もいらっしゃらないでしょう。
多くの場合は、良いことの後に悪いことが、悪いことの後に良いことが起こり、結果として「まあまあだな」という感覚で今に至っているのではないでしょうか。
人間は損をすることを極端に嫌う動物ですから、たとえ良いことと悪いことが等分で発生したとしても、少しだけネガティブな重みを感じます。
ですが、そういう時期は必ず終わりを迎えます。
今は苦しいかもしれないけれども、終わった後は必ず楽が待っている。
これはなぜかというと、苦しいという現状が自分自身の「幸せ感度」のようなものを上げてくれるからなんですね。逆に、幸せなことばかりであると、感度はどんどん鈍っていくわけです。
適度にストレスを抱えて、適度に達成して幸せを覚えるというサイクルが我々には必要なのです。
ですから、どんなに現状が大変だったとしても不安に思うことはありません。
逆に、今の自分がそれなりに良い環境にいると思ったとしても、是非チャレンジをして自分に負荷をかけていきましょう。人間は変化に対して敏感になり、変化を記憶します。
投資でも同じと考えると楽
もう一つ言うと、資産形成を考えるうえでも似たようなモデルになると考えるといいでしょう。
市場は継続的に成長していくという前提に立ったときに、平均は徐々に右肩上がりとなっていくかもしれませんが、その平均移動線を取り巻く環境は、まるで糾える縄のごとく上下しているはずです。「下がりっぱなし」もなければ「上がりっぱなし」もありません。
そういう意味では、チャンスが光る瞬間が必ず出現すると考えるのです。反対に、好調と思えた時期も必ず下落する瞬間がやってきます(詳しくは "リセッション" とか "調整" とかいいますが)。
悪条件のときには上り調子になることをイメージし、好条件のときには常に下落をイメージしておく。そうすることにより、運用する資産も状況に合わせて変動させることができますから、迷ったときには「禍福は糾える縄の如し」というシンプルな世界の動き方を参考にしてみるとよいかもしれません。
撚り合わせられた縄は、とても太く、頑丈になります。
人生における上り坂・下り坂も撚り合わさって、今の自分をより強いものにしてくれるはずです。