おざなりになりやすい靴磨き
私は、珍しく趣味の一環として「靴磨き」をすることがあります。
ビジネスマンの方であればほぼ毎日身につけるであろう革靴は、意外なことにお手入れされていない方が多い印象です。
街中を歩いていても、私はスーツよりも靴を先に見てしまいます。
スーツは質が良ければとてもきれいに見えますし、きちんとハンガーにかけてお手入れされている方も多いでしょう。
しかし、靴は脱いだら脱ぎっぱなしになっているのではないでしょうか。
かくいう私も学生時代は革靴を使っていたものの一回も手入れなどされず、一体いくつのローファーが犠牲になったか計り知れません。
しかし、革靴を履いて人前に出るようになることが多くなると、靴に対する興味がどんどん大きくなってきました。
そして、靴磨きが靴を長く使うコツでもあり、同時に精神集中の作業でもあることに気が付きました。
靴磨きと聞くと、お店で綺麗にやってもらうものと思われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、革靴は日頃のお手入れがすべてです。
毎日ケアをしなければ、その分どんなに高価な靴を持っていたとしてもすぐに劣化してしまいます。
高価な靴を履いているけれどもチップが傷だらけの人を見ると、少し残念に思います。
逆を返すと、そう思われないようにするためにはきちんとケアをする必要があるのです。
一生モノのシュークリーム "SAPHIR Noir"
SAPHIR Noir(サフィール・ノワール)はプロの靴磨きも使っているという最も有名な靴(シュー)クリームブランド「SAPHIR」の高級ラインです。
SAPHIRはHERMESをはじめとした皮革製品ブランドのケア製品も作っており、MOWBRAY(モウブレイ)と並んで有名なシューケアブランドです。
私が最もよく使っているのが「クレム1925」です。
これ一つでシュークリームは十分と言っても良いです。
一般的には汚れ落としのステインリムーバーを使うこともありますが、私は上から軽く重ねるくらいの要領で使っています。
同じ基剤ですから、汚れを含めて浮かしてくれる作用が期待できます。
手で直接塗っても、ペネトレイトブラシで塗っても、適度な艶感のある落ち着いた光沢を実現してくれます。
そのうえで、豚毛ブラシで入念に磨いてあげることで、鏡面仕上げをしなくても良いくらい綺麗に磨きあがります。
クリームの量も、一度に塗る量は少なくてOKですから、2,000円程度で何年も使うことができます。
シューケアはシンプルでOK
他の記事でもご紹介しようと思いますが、私は普段の靴のお手入れは非常にシンプルです。
毎日継続してできることを目標に、
帰ってきたときにするお手入れ
少ししっかりと集中してやるお手入れ
この2つに分けてやっています。
帰ってきたときにするお手入れ
毎日、革靴に頑張ってもらった後は、
除湿剤を革靴の中に入れる
↓
馬毛ブラシ(毎日用)でほこりを丁寧にはらう
↓
風通しの良いところに一日置く
↓
除湿剤を抜いてシューキーパーを入れる
これだけです。
普段使いの革靴を3足以上そろえておけば、こうして毎日綺麗な状態で使いまわすことができます。
1足をずっと使ってしまうと、このサイクルもなかなかできなくなってしまうので、初期投資も重要になってきますね。
少ししっかりと集中してやるお手入れ
休日などで、10~20分くらい時間があればやります。
普段のお手入れに加えて、
軽く湿らせた清潔な布巾で汚れを取り除く
↓
(ステインリムーバーは使っても使わなくてもOK)
↓
SAPHIR Noir クレム1925をペネトレイトブラシで塗りこむ
↓
少し時間を置く
↓
豚毛ブラシで入念に磨く
この行程を加えて、シューキーパーを入れて保存します。
豚毛ブラシで磨いている時間が、靴クリームの香りと相まって非常に集中できる時間になります(もちろん、通気性の良い場所でやるようにしてくださいね)。
普段自分の履いている靴の形を観察するとともに、どことなく慈しみを込めて磨く。
それが高価な靴であればあるほど、子供を育てるように大切に磨きたくなります。
新品の靴は、どの靴であっても綺麗です。しかし、まだ粗削りな新しさがあって、履きこんでくるうちにその人に馴染むようになった瞬間がその靴の真価の見せ所だと思っています。
そのためには、毎日のお手入れと、ちょっとした靴磨きが欠かせません。
足元がきれいだと行動が整う
靴は足元を支える大事な役割を果たしてくれる装具であると同時に、その人の人柄を表す重要なアクセサリーでもあります。
そんな靴が、パッと見た瞬間に美しければ、目を引きますよね。
靴を綺麗にしていると、最も汚れやすい地面に接する靴をあまり汚したくない。
そうすると、自然と行動が整ってきます。
サンダルやスニーカーも、決して悪くはなく楽ですが、ちょっと汚れたとしてもあまり目に留まることは少ないですよね。
革靴は綺麗にすれば綺麗にするほど、一つの汚れが非常に目立ちます。
もちろん、それらを丁寧に磨くことも大事ですが、はじめから「汚さないように行動する」ということが重要なのかもしれません。
自然と歩き方も変わるでしょうし、脱ぎ方も注意するようになるでしょう。
靴を綺麗にすることは、足元から自分の行動を変化させるということでもあります。
このように、靴も一つのファッションですから、洋服にお金をかけるのも大事ですが、一足一足を質の高い靴にして、是非靴磨きをしてみてください。
毎日続けることが重要
私にとっては、靴磨きは義務ではなく趣味です。
ですから、「やらなくてはならない」ではなく「やりたい」という気持ちで磨いています。
今では、3足くらいを磨きながら履きまわしている状態ですが、数年経っても綺麗なまま、むしろ色合いが深まり自分の足にフィットしてくれるようになりました。
上述の通り、毎日のお手入れが特に重要です。
毎日のお手入れは1分で済みますが、その1分をおざなりにする状態になると、靴はどんどんと劣化していってしまいます。
その1分をどれほど大切に扱うことができるか。
仕事から帰ってきて身体も心も疲れ果てている、そこで1分を大切にできるかで、もしかしたらチャンスが巡ってきたり、収入がアップする可能性があるかもしれません。
意外と、足元というのはチェックされているものです。
私が使っている毎日のお手入れのための馬毛ブラシはこれです。
靴の中に入れる除湿剤は基本的には新聞紙でも構わないのですが、本格的に除湿したいのであれば、是非しっかりとした吸湿素材を使ったものを使われるとよいと思います。
私は以下のものを使っています。
安価で始めることができる自己投資の一つでもある靴磨き。
手軽に始められますので、是非やってみてくださいね。