文章力がないとこれからの時代は難しい
現代は、情報量がモノをいう時代です。
文章も、情報の一つですが、ブログをはじめとして最近では個々人が自由気ままに意見を発信することが可能となりました。
これは、今まで意見を発信する力を持たなかった人たちにとって朗報であると同時に、文章というものを書いたことがないという人にとってはチャンスがなかなか掴みづらい状態が続いていることと思います。
何を書いたらいいのかわからない
よく、このような悩みを口にする人がいます。
ですが、これは何を書いたらいいのかわからないのではなくて、頭の中にあるぼんやりとした自分の考えを、言葉にして表現するまでのプロセスが発達していないだけのことです。
日常生活で、自分の頭に思い浮かんだ考えがつっかえて出てくるということはまずありません。
話し言葉と書き言葉は伝達の手段がまったく異なります。
ですから、どれほど流暢に話すことができていても、必ずしも文章で流暢に伝えることができるわけではありません。
そのことを理解すると、話し言葉は日常生活で頻繁に使いますから自然とトレーニングができるものですが、書き言葉はある一定のトレーニングをしないとなかなかスラスラと出てきません。
「日本語なんだから、書けて当然」
そう思っている人もかなりの割合でいるかと思います。
しかし、日本語は英語ほど厳格に文法の構造が決まっているわけではありませんから、むしろていねいに書かないと誤解を生んだり何を言っているのかわからなくなってしまったりします。
日本人だからこそ、日本語の文章力を鍛える必要がある。
私はそのように考えています。
そして、これからの時代は文章力がしっかりしていないと個人の意見を正しく発信できないばかりか、文章力が高い人たちが意見・思考の潮流を作り上げてしまい、何も考えずに鵜呑みしたまま生活をするということにもなりかねません。
情報量が増大するということは、誰かによって上手に操作されてしまうとあっという間に流されてしまうということを意味します。
そのためにも、文章力を身につける必要があります。
ブログで文章を書く場合や、何か商品を紹介する場合の文章などはセールスライティングの考え方に基づかれることが多いですが、そういう方法論を身につけることはもちろん、基礎としての文章力は確実に必要になってきます。
では、自分には文章力がないと考えている人たちには何が不足しているのでしょうか?
文章力の欠如は読解力の欠如に由来する
私ははっきりと「読解力」に一つの原因があると思っています。
他人の言っていることや書いていることを、きちんと読み解くことができない。
そうなれば、当たり前のことですが自分の考え方を相手に対して正しく伝えることなどできませんよね。
相手のことを考えずに書いた文章は、誰のためにもなりません。
小説で言えば読者、ブログで言えばユーザーに対してニーズを把握しなければならない時代になりました。
昔であれば、大文豪が書いた文章なら大衆がこぞって購入していました。
それは、情報量が少なかったからできたことです。
現代では、驚くほどたくさんの作者が存在するようになり、大衆のニーズはより細かく分解されるようになりました。
その結果、ただ漫然と書いているだけではなかなか人が集まらないという状態ができあがってしまったのです。
これから様々な場面で印象に残る文章を書きたいと思っている人においては、「どうすれば相手の印象に残るのか」ということを少し考えて文章を書く必要があります。
難しい言葉や専門的な言葉を並べていてもだめですし、ただ長文をだらだら書くというのもいけません。
それを、今現在人気を博している色々な文章から「読み解く」必要があります。
そういう意味でも、「今はどういう文章が人気なのか」ということを読解する力が必要だといえますね。
私も現在、そういうところを勉強していますが、その目線で文章を見てみると未知のことばかりで楽しいですよ。
読解力の欠如を埋めるためにはとにかく読書
さて、実際に文章力向上のための読解力を付けるためにはどういう風にしたらいいのか。
私はこれにもシンプルな答えを持っています。
それは、「読書」これ一択です。
書店に並んでいる洗練された文章を丁寧に読むことができないのであれば、質の高い文章を書くことは到底難しいです。
おそらく、家に一冊も本がない状況で成功している小説家はいないでしょうし、月間PVが何十万~何百万と行くブロガーの方も読書しないという人はいないでしょう。
他人が書いた文章をひたすら読み、自分の血肉にしていくことで、自分自身のオリジナリティが成立し、他者のニーズを把握する力がついてくるようになります。
そうすると、文章を読むことで語彙も文構造理解も進みますから、文章を書く段階になってもスムースに書くことができるのです。
読書に関しては私も様々な思い入れがあり、いくつか記事を書いています。
読解力は読書を極めることによってのみ成し遂げられます。
では、実際にわかりやすい文章を書くためにできるシンプルな方法はないのでしょうか。
テーマを一つ決めることからはじめる
私は、一つの文章に対して一つのテーマを決めることから始めるとよいと思っています。
その点で、ブログを書くということは非常に良い文章訓練になります。
文章力を磨く方法は、「テーマに沿って書く」ということと言っても過言ではありません。
テーマと言っても、大きなものから小さいものまでたくさんありますよね。
例えば、「投資」であったら、非常に大きなテーマとなります。
なんの投資を指しているのか。株式なのか、FXなのか、金や先物取引なのか。
大きなテーマを一つ決めたら、さらにその下のテーマを探しに行くと、程よい分量で書けるテーマが必ず見つかります。
例えば、株式であれば、さらに国内株式なのか、海外株式なのか。個別株投資なのか分散投資なのか、など。
そこまでくると、国内株式でキャピタルゲインを目指すときに考えなければならないことやインカムゲインを目指すときに見る指標などを調べようとなります。
一つ一つ大きなテーマを分解していくと、自分の好きで書きたいことがいくつか見つかります。それを、まずはテーマとして設定しましょう。
あとは、情報収集をしながら以下の方法に沿って書いてみるだけです。
文章力と読解力はどちらも階層構造を掴むと楽
情報は、必ずどこかで繋がりがあります。
それが、縦の繋がりなのか横の繋がりなのかを把握したうえで、「階層構造」の考え方を意識するようにしましょう。
大きな見出しをつけたら、その下にまた見出しを付けていく。
読書をしている方なら見たことがあるかもしれませんが、
第1章
その1
まずはじめに~
つぎに~
その2
その3
第2章
……
こういう階層構造を先に作ってしまいましょう。
そうすると、書きたいことの全体像が見えてくるようになり、分量もざっくりと把握することができます。
そのうえで、あらかじめ作った骨格に肉付けをしていくと、スタートからゴールまで迷うことなく文章を完成させることができます。
簡単なことのように思えますが、伝わるように書こうとすると階層構造の前後関係や文章量も気を付けないといけません。
資料を作成するときも、ブログで文章を公開するときも、すべて一緒です。
人間は論理の生き物ですから、このように階層構造で分けてくれると非常に頭の中が整理されます。
よく、「~~の方法10選!」などと紹介されているのは、10個あるという階層構造が読者の頭の中に色濃く存在しているから読み進めやすいという心理を利用しているわけですね。
文章を書くときは、そのテーマの下に「説明したいこと」を次々と下位の構造に付け加えていくのが簡単でお勧めです。
階層構造化することで、自分も文章を書きやすくなりますし、相手も見たときにその構造が理解できますから、伝わりやすい文章を書くことができます。
語彙や文章の長さなど、文章力を鍛える方法はたくさんありますが、まずは骨組みを作ってから肉付けをしていく文章法で文章力を鍛えてみましょう。
文章力をつける唯一の方法は「実際にやってみること」
すべてのことについて言えることですが、理論が分かったら実践あるのみです。
実践をして、トライ&エラーを繰り返して自分のものにしていくしかありません。
どんな文章法を知っていても、実際に応用してみなければわからないこともたくさんあります。
書いていく中で、自然と修正されていくものです。
継続することが、延いては文章力を磨く方法になるでしょう。
シンプルな行動の積み重ねが、力をつけてくれるはずです。
今では様々なプラットフォームで自分の文章を世に公開するチャンスがあります。
それを活かして、他者へ有益な情報を提供するために、一番よい文章とは何かというのを追求するのも楽しいですね。