雑筆

夏は来ぬ

今年も夏がやってきました。最近になり、春夏秋冬も随分とその期間がずれたり短くなったりしているようですが、皆さんの心のなかにそれぞれの四季の気分というものがあるのではないでしょうか。

さて、日本の唱歌のなかに、そんな季節にぴったりの曲があるのを見つけました。皆さんが昔歌ったこともあるかもしれない、あるいは、そういう歌に似ているかもしれない、懐かしくも奥ゆかしい歌をご紹介します。

『夏は来ぬ』 作詞:佐佐木信綱 作曲:小山作之助

2007年には日本の歌百選にも選出されている、有名な曲です。

実際に聴いてみてください。ご紹介したCDは小鳩くるみさんの鳥のさえずりのような自由で高らかな、澄み切った美しい歌声ですが、ほかにもいろいろとあるようです。

卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

橘の 薫るのきばの
窓近く 蛍飛びかい
おこたり諌むる 夏は来ぬ

楝(おうち)ちる 川べの宿の
門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
夕月すずしき 夏は来ぬ

五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ

非常に多くの綺麗な日本の風物詩が入り込んでますね。皆さんはいくつご存知でしょうか。

「夏は来ぬ」は文語の表現で、現代風に言うと「夏が来た」という意味になります。

僅か3分にも満たない唱歌ではありますが、この5編の詞の中にはどれをとっても「夏が来た」という感激が十重二十重に織り込まれているのが分かります。そして、これだけ「夏が来た」という喜びを歌いこめるものだと感心しますね。

単語の意味が分からずとも、歌い手の声から初夏の瑞々しい生命の彩りが伝わってきます。当たり前のように梅雨が明ければやってくる夏を、ていねいに、そして情感豊富に描いています。

曲調自体は大変シンプルな構成で進んでいきますが、どのメロディをとっても「夏が来た」という太陽の輝きにも似た感情が感じられる明るい雰囲気が漂っています。

唱歌を歌ったことのある方であれば、懐かしいメロディに心を打たれることでしょう(私も初めて聴いたときにはなぜか嬉しくて涙がでました)。あるいは、これからお子さんが大きくなるときなどで、昔の曲を語り継ぎたい、そういうときにもお勧めできる一曲です。

最近の邦楽は歌詞を味わうということも少なくなってきたように思います。シンプルなメロディだからこそ、口ずさみやすいし、歌詞も統一性がありますから頭のなかに入ってくる。

日本人の豊かな感性が織り込まれた唱歌を、日々の暮らしで心が迷ったときには聴いてみるとよいかもしれません。先人の日々の営みは、こういうシンプルで明るい感性で行われていたと感じることのできる一曲です。

これから暑くなる夏に、皆さんが多くの楽しい経験をされることを祈っています。

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Zen

4,000万円の負債を背負い、日々労働に明け暮れる薄給内科医です。 私を迷うことなく選んでくれた妻と一緒に、経済的自由を目指します。 とりあえず身体を壊さないように30代で5,000万円の金融資産を作ります! 経済的自由を得るまでの道のりを記録していきます。 最後に全員を幸せにして笑って生活するのが夢です。 応援よろしくお願いします(´ー`)

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