そろそろ賞与の季節になってきますね。
私は薄給の身でありながら3か月分の賞与が与えられる予定です(ベースが少ないので3ケタには届かないと思いますが……)。
皆さんは賞与を得たら、どのように使われますか?
家庭を持っていたら、ちょっと贅沢な旅行やディナーでしょうか。
独身であれば自分がもとから欲しかった高価なものを買うでしょうか。
プレゼントを買ってあげるのもいいかもしれませんね。
ボーナスの使い方は人それぞれだと思います。
では、資産運用を考える場合に、ボーナスはどう使ったらいいでしょうか。
結論から言うと、全額投資に充てる、です。
その理由は以下の通りです。
特に株式投資をされている方(自分も含め)で、この上昇相場のなかモチベーションが上がらない人へ書きました。
そもそもの生活は天引き貯金後のお金で賄える
資産運用において、貯蓄に励むことは重要です。
その貯蓄を少しでも多く投資に回すことをお勧めします。
効率よく貯蓄をするためのバイブルとして、私はこの一冊を使っています。
1時間もあればざっくりと概要を掴めますが、要するに「4分の1を先に貯蓄に回す」というシンプルなルールです。
私はこの「4分の1」はリスク許容度に応じて変化させてもいいと思っていて、現状では給与所得のうち平均して70%を貯蓄(投資)に回すことにしています。
三菱サラリーマンさんの「給与所得の8割を投資に回す」まではいきませんが、とにかく「生活費は貯金の後で考える」ことを徹底しています。
月々の給与所得があれば、天引き貯金をしたあとに使える金額が残ります。
ですから、理論上は「ボーナスは生活のために使わなくても良い」ことになります。
パーキンソンの法則を知って、未来を見据える
時間とお金にまつわる有名な法則に、パーキンソンの法則というものがあります。
パーキンソンの法則
第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
*シリル・ノースコート・パーキンソン『パーキンソンの法則:進歩の追求』から
ここの第二法則が重要で、要するに「お金があればあっただけ使ってしまう」という法則です。
ボーナスが手に入ると、財布のひもが緩む。
こんな経験は誰にでもあると思います。
昇給で給料が増えても、それにあわせて生活レベルを上げてしまえば貯蓄が増えないという現象も同様です。
資産運用は、この「お金があればあっただけ使ってしまう」という人間の精神的な弱さに立ち向かうことも求められます。
むしろ、この法則を乗り越えられれば自然と貯蓄は進んでいくはずです。
ボーナスが入ったら、使ってしまう。
これもまさしくパーキンソンの第二法則ですね。
自分のお金の使い方に対する衝動性をきちんと理解することも重要です。
年収に対して賞与が占める割合が大きいことは何を意味するか
2019年に四季報に掲載された「ボーナスが多い会社トップ100」を見てみると、上位は300万円を超えています(失神しそうになりました)。
上位10番をピックアップしてみました。
社名 | 賞与支給額(万円) | 平均年収(万円) | |
1位 | 東京エレクトロン | 546.8 | 1,076 |
2位 | ディスコ | 482.7 | 966 |
3位 | アドバンテスト | 415.7 | 892 |
4位 | 双日 | 370.5 | 1,103 |
5位 | 大本組 | 366.8 | 822 |
6位 | ジャストシステム | 360.3 | 951 |
7位 | 野村不動産HD | 357.9 | 1,013 |
8位 | 鹿島 | 353.7 | 1,102 |
9位 | キリンHD | 348.0 | 1,082 |
10位 | 森組 | 340.5 | 770 |
(『会社四季報』2019年2集春号より)
いずれも平均年収が約1,000万円と高いですが、それにもまして賞与が全体の3~4割以上を占めていることが凄いですね。
要するに、1年間12カ月で得られる収入のうち、僅か1回で半年~1年分もの給与が入ってくるわけです。
月々の生活費が天引き貯金などで抑えられている状態でコンスタントに投資していたとしましょう。そうすると、いきなりそれが何回分も先を行くことができるということになります。
ボーナスをもしも消費に使ってしまえば、その時間が無駄になります。
ですが、全額投資に振り向けることができれば、他の人達よりも数か月~十数か月先に進むことができるわけです。
例えば、ボーナスをまったく投資に充てなかった人が資産運用をして20年でセミリタイアできたとすると、ボーナスをすべて利用した人は場合によっては10年以下で達成することができますね。
極端な話ですが、セミリタイア達成までの期間を半分にすることができる。
そう考えると、もしも年収に対してボーナスの割合が高い仕事に就いている人がいたならば。
それはセミリタイアを目指す圧倒的なチャンスになります。
因みに私は非常勤を組み合わせた労働ポートフォリオ(笑)を立てているので常勤先から入手できるボーナスは3か月分といっても全体からしたら少なくなります。
残念なことに全体の約1割程度になってしまうので、ボーナスを全額投資しても一足飛びというわけにはいきません。それでも、セミリタイアを一刻でも早く達成しなければならないという信念のもとでは、これは強力なモチベーションになります。
「今」使うか 「将来」使うか
究極の判断です。
個人的には、「いま」が一番充実しているべきであると思います。
しかし、充実させるのと「金銭を消費すること」とはイコールではありません。
一時的な高揚感と満足感のためにボーナスを使い果たしてしまうのか。
あるいは、例えば100万円のボーナスだったとして税引き後利回りで4%の運用をして1年間で配当金4万円を獲得するのか。
人それぞれとは思いますが、再現性の高いインカムゲイン中心の投資手法である高配当株投資を主戦略としている方であれば、投資元本をなるべく早くたくさん作っておくことが重要になります。
私はボーナスを得ることで、「いま」暮らしが楽になる選択肢は取らず、「将来」楽になる選択肢を取ろうと思います。
カップルで投資しているなら、さらに2倍へ
私は妻と(投資方針は若干異なりますが)ボーナスはすべて株式市場に投下することとしています。
妻はどちらかというと年収に対するボーナスの割合が大きいので、妻の方が得られる効果が大きくなることが予想されますが、いずれにせよ二人で頑張ればボーナス月は倍の速さで自由に接近することができます。
毎月来るわけではない貴重なボーナスの使い道。
パートナーがいらっしゃればボーナスの真の「使い道」について真剣に議論してみてもいいかもしれません。
今から楽しみです。
皆さんにとって何かの参考になりましたら幸いです。