読書は他人の思考をトレースできるツール
自分一人で勉強することは、現実的には不可能です。
なぜかというと、結局勉強するということはなにかしらの書物をひもといたり、インターネットから情報を収集したり、なにがしかの形で他人の影響を受けることになるからです。これは、考えてみれば当たり前のことですね。
ここで、逆転の発想をしてみましょう。つまり、勉強するなら「他人の影響を受けて受けて受けまくる」という発想です。
自分で考えた内容は、あくまでも自分の発想の範囲を超えることはできません。難しい話ではありますが、自分は自分の領域を超えることができないのです。いかに自分が正しい意見を持っているか、自信があったとしても、それは結局自分が広げた庭の中にいるだけなのです。その範囲を超えて考えることは決してできない。
ですが、その領域を超えることが可能な方法があります。それが「読書」です。
本を読むということは、当然他人が書いた文章を、読解して咀嚼して頭の中に落とし込む作業ですね。本を読んで新しい発見があったとか、こういう表現があったんだとか、そういう新鮮さがあるのは、自分にない考え方が光っているからです。
自分の頭で考えることは限界がある
自分の頭で考えることはもちろんとても重要なことです。しかし、そこだけに固執してしまうとどんどん狭く深くなっていってしまいます。
本を読むと、そこには他人の様々な経験や失敗談、教訓や知識などがたくさん詰まっていることに気が付きます。「この本を読んでいたから、あのとき後悔しなくて済んだ」という例はたくさんあるでしょう。
このことを考えると、読書をしないということは、これから先訪れるかもしれない後悔がどんどん増える可能性があることと同じなんですね。今から10年経って、「~~は重要である」という教訓を得たとして、10年前に「~~は重要である」ということを示した書籍が存在していたらどうでしょう。もしかしたら、読書することによって、その10年分の行動を先取りできたかもしれません。
本を書く人たちは、ただ漫然と筆を走らせているわけではなくて、いま現在なにかに苦しんでいる人たちや、情報を欲している人たちに、目的を持って書いています。そこには、自分が経験したつらい思いや、味わった苦難、そして何とか達成して得た教訓・知恵がたくさん詰まっています。
そんな、人生の宝石ともいえる書籍が溢れかえっている。玉石混淆なのは確かです。しかし、それは精読と濫読を併せて行うことで少しずつ解消することができます。
今、読書をすることで後悔を最小化できる
後悔を最小化するために、いろいろな人たちの書いた文章を読み、そこからたくさんの教訓を得るアンテナを張りましょう。
人間の一生は、とても短いのです。それを、他人の知恵を拝借して自分のものにすることができるなら、これほど素敵なライフハックはないと思いませんか。
気づきのスピードを加速させる唯一の方法が、読書と言っても過言ではありません。