勤務医は労働ヒエラルキーの最下層
高収入、高学歴。
かつては、そうもてはやされることもあった医師ですが、現状はまったく異なります。
皆さんは医師の具体的な労働についてご存じでしょうか。
医学部人気は依然として過熱しています。
これから医学部に入ろうとする人たち、勤務医になろうとしている人たち、あるいは、労働者として日々自由に向けて頑張る人たちへ、今回は医師(というか勤務医)のリアルをこっそり綴ろうと思います。
勤務医は、目指す自由と真逆を行っている
私は、
勉強×投資×健康
この3つをきちんと追求することで自由な生活が実現できると考えてます。
しかし、残念なことに勤務医は恐ろしいほど逆を行きます。
私はいわゆる「内科系」ですから、すべての勤務医に当てはまることではありませんが、激減する内科医を取り巻く過酷な現状をこの3つからご紹介します。
今回は読み物として流してください。
×医師は高学歴 → 片寄った知識集団
はじめからバッサリいくと、医師は全員が全員、特段頭がいいわけではありません。
6年間、他の領域の勉強をかなぐり捨てて医学を学んでいます。
むしろ、その他の視野が狭いことのほうが目立ちます。
しかも、他の領域に興味を示す(例えば、政治・経済や、金融)と、変わった人として見られることのほうが多いです。
勤務医として労働していると、他の物事を勉強する時間はよほど頑張って捻出しないとでてきません。
毎日疲れますから、他の勉強に充てる体力が残っていないということもあります。
医学部受験は難しいですが、それは今後の医師人生とはまったく関係ありません。
勤務医をやっていると、求められているのは冴える頭ではなく「雑用も含め、周りから言われたことをストレスを感じることなくこなす」スキルであると感じます。
大学病院では、持ち前の頭のよさを発揮する場所はどこにもありません。下手に調子に乗ると目をつけられます。そのわりには、とんでもない量の雑用や事務仕事が重なり、自己研鑽の勉強などする暇はありません。
単純作業を毎日淡々としているようなものです。
そうすることで、思考の幅は制限され、一様な行動をする集団ができあがります。
×医師は高収入 → 時間あたりの給与はコンビニバイトレベル
医師は多量の時間を献上してようやく年収800~1000万円前後の給料を獲得します。
しかし時給換算するとコンビニバイトレベルであることがほとんどです。
医師が常勤している先は、絶えず医局から労働力が供給されているので、市場原理で多額の給与を提示せずとも安く働かせることができます。
そういうところに限って、当直明けは休みでもなんでもないですし、24時間オンコールです。
そういう電話対応をはじめとしたプライベートの犠牲も含めると、下手をすると最低賃金を下回る可能性すらあります。
また、能力に応じて給与が上がるわけでもありませんから、頑張れば頑張るだけ労働力を吸いとられ、時間あたりの給与が低下します。
働き方改革の影響で、医師も強制的に休みをとらされるようになりましたが、まったく休みにはなりません。
昨日も今日も明日も、患者さんは24時間病院で状態が変化していますからね。
仕方のない構造と言われてしまえば、そうなのかもしれません。
○ 医者の不養生 → 半端でない睡眠リズムの乱れと短時間食事
極めつけは、睡眠不足の毎日に加え、週一回以上の当直業務が存在することです。
当直は、基本的にはよほどのことが起こったときに連絡が来るというシステムなのですが、実態は夜勤(夜の間は普通に仕事をする)と同じです。
朝6時に出勤→翌日夜21時退勤という流れが週一回は存在します。
これで健康でいる方が難しいですね(笑)
そして、昼食はいつ電話がかかってくるか分からない段階でとらなければなりません。
10分くらいで食べて手術室に戻るということもざらです。
こんなかたちで、実は労働者という観点で見ると医師はヒエラルキーの最下層に位置します。
大切な人々を守れないのが嫌だった
私が、この状態に違和感を持ち、脱出しようと思ったきっかけはこれです。
仕事に明け暮れて、医師としての仕事をする一方で、夫、息子、父(まだ子供はおりませんが)……さまざまな自分の別の立場がおざなりになるのがいやだった、というのが一番の理由です。
皆さんが思っている以上に、医師は労働者です。
これが客観的にわかってしまった以上、私は勤務医として定年まで走ることをやめました。
そして、しばらくはどのようにもがいても忙しさから抜けられない状況下で、
勉強すること
投資すること
健康でいること
この3つを最低限追求することで、将来への準備を始めようと思ったのです。
仕事が忙しくて、なかなか勉強する時間がない。ましてや、投資だなんて無理。
そんな方でも大丈夫です。むしろ、そういう方がやる必要さえあります。
このブログでは、最低限のシンプルな軸を明確に打ち出して継続していきます。
幸いなことに、とても理解のある妻とパワーカップルなどとはしゃいで資産運用の道を歩み始めることができましたが、本質的には二人ともまだまだ自由な時間などどこにもありません。
それでも、なんとか二人で力を合わせて自由になろうと決めて今に至ります。
労働者として黙々と働きながら、いつかの自由を獲得すべく努力していきます。
忙しくても実践できることを中心にご紹介しますので、ぜひ参考になりましたらと思います。